NEWS

尾崎裕哉 1st EP「LET FREEDOM RING」をひも解く

category:

▽本映像では、1st EP「LET FREEDOM RING」に収録されている全4曲を公開しております!

解説:小貫信昭

アルバム・タイトルの"LET FREEDOM RING"は、キング牧師の有名な演説の言葉である。「自由の鐘を打ち鳴らそう」という意味だが、牧師はこの言葉をもって、広く民衆に呼び掛けたのだ。

尾崎裕哉にとって、それは自らの音楽に、相通じる感覚でもあるのだろう。そしてこの作品集を手にした人達も、ぜひそれに習い、自分の心の中に、大きな鐘を打ち鳴らしてみてはどうだろう。

「始まりの街」で彼のことを知った人は多い。あの名曲により、早くも"尾崎裕哉像"が築かれたと言ってもいい。しかしそれを、軽やかに更新していくのがこの1st EPだ。

オープニングの「サムデイ・スマイル」は、澄んだアコギをクラップが介添えし、その後、オルガンなど音数が増えても大仰にならず、程良いサイズ感で鳴っていく作品だ(今回、編曲はすべて蔦谷好位置)。歌詞で"あと何度"が繰り返されるフォーマットはディランの「風に吹かれて」を彷彿させるが、途中、ラッパーのSALUが提供したラップのパートがあり、しかしここでガラリとヒップホップ・マナーに覆われるのではなく、自然な発展を果たす構成力が新鮮だ。
サビの"幸せになれる""途中の今日を生きてる"という言葉が心に染み込む。それは先ほど"程良いサイズ感"と書いた、この曲の有り様とも関係ある。すぐ隣りに歌があるような親近感が、この作品の意味を深める。

続く「27」は、父・尾崎豊が生きた26年間という生涯を越えていく年齢となった際の心境に端を発した歌である。これは自著『二世』のなかにも綴られていた想いだ。
歌詞に父の名曲のタイトルである"僕が僕であるために"というフレーズをサンプリングしているのは意図的なことのようだ。そりゃそうだろう。こんな偶然には、そうそう巡り会えない。でも、この歌を通して尾崎裕哉が伝えたいことは、このフレーズとは別に、確かに存在する。ただ、「人間」に対して借り物の本質論をあてがうのではなく、あくまで実感・実存を追い求めていく姿勢は、この親子に共通するものだ。

曲調としては誰もがノレる明快なバンド・サウンドであり、今後、野外フェスといった場所でも大いに鳴り響かせてもらいた一曲となった。

早くも「始まりの街」がリアレンジされ、Soul Feeling Mixに様変わりしたものを聴けるのも、本作の楽しみにひとつだ。ホーリーなコーラスにブルージーなギターが絡む今回のバ−ジョンは、歌われているのは同じ"街"だとしても、別の通りの違う街並みの物語に仕立て直したかのような風情である。とはいえ尾崎裕哉の歌は、いずれも揺るぎないものだが...。

最後は「Stay by my Side」。この作品は英語詞のパートも多く、バイリンガルな彼の、もしかしたらメロディラインに関しても、複数言語双方向な発想からの曲作りだったかもしれない。今回、ハッキリとラブ・ソングにカテゴライズできるのはこの曲ということになる。

"All I wanted to say is 「愛してる」"というフレーズがいい。愛を伝える言葉の、もっとも虚飾のない、もっとも強い一言は、とっくの昔から誰もが使っているこの言葉だけど、そこに至るまでの道のりや、いざ相手を前にしての感情の機微こそが、多くのラブ・ソングを生み出してきて、これもそのなかの一曲である。

今回、彼は『LET FREEDOM RING』の4曲により、彼ならではの視野を駆使し、ありきたりのスタイルに囚われない表現者としての豊かさ・自由さを示した。とはいえEPというサイズにおいてであり、まだまだこれは、序章に過ぎないわけだが。

--------------------

『LET FREEDOM RING』がiTunesで発売中。
なんと全4曲に加えて、「27(starRo Remix)」のボーナストラック付き!

1. サムデイ・スマイル
2. 27
3. 始まりの街 (Soul Feeling Mix)
4. Stay by my Side
5. 27(starRo Remix)

▼iTunes
http://apple.co/2mrpSbP

--------------------

PAGE TOP